畳の良し悪し
賢い畳の使い方の1つに、「裏返し」がある。
「裏返し」とは、下記の写真のように、畳は使っていると、色が変色し、茶色くなる。
また、擦れたりして、表面の皮が剥けてくる。
この茶色く焼けた、い草を剥がし、裏面をひっくり返し使う方法である。
擦れて茶色くなった表面は、裏側になり、裏面の緑のい草が、表面になる。
昔の人のものを大切に、気持ちよく賢く使う知恵である。

畳が茶色く変色したもの。
均一に焼けている。高級品の証。
畳の良いものと悪いものの見分け方の1つに、均一に茶色く焼けるものと
黒い筋が一杯入って焼けるものの違いがある。
これは、使ってみなければ分からないので、一般の人にはほとんど分からない。
長年経験した畳屋の目利きの1つだ。

アップにすると、その艶がよく分かる。

箪笥など置いてあった場所は、当時のい草の緑色のまま。

ひっくり返すと、綺麗な緑色がでてくる。

畳表をピンと張り、針で留める。

10年以上使った畳表の裏の色。

高級品なので、使ってあるい草の本数も6,000本~7,000本くらい。
下級品は4,000本くらい。
悪いイグサは、除き、良いイグサを選別して使ってあるので、色が均一。
アップにするとよく分かる。

国産のある程度良い畳表を使うと、場所、使い方にも寄るが、
10年使って、「裏返し」をし、しかもこんなに綺麗になる。
そして、また10年。表、裏で計20年も1枚の畳表で使えるだ。
今日、最高級の畳表を使用した「表替え」の仕事を8畳した。
畳の問屋さんには出回らない、
熊本のい草農家からの直接買いの畳表だ。
何回も熊本まで出向き、農家から畑の向き、場所、土壌作り、い草作りのノウハウを教えてもらい、なぜ、このい草は良いのかを実感している。
もう7年くらいお付き合いしている、信頼できる農家(畳表)だ。
数百枚単位で購入するため、格安にお客様に提供できる。

草質。い草の実の入り方がちょうどいい。

い草の打ち込みの本数。
香り。
畳表の厚さ。
縦糸の良さ。
ねばり。
品格。
どれをとっても1級品だ!



その分、仕事も時間をかけ、丁寧に行う。
母の日のプレゼントだという。
こういう畳表が使える人は、幸せだと思う。
家族揃って、新しい畳の香りを香りながら、一家団欒。
とっても喜んで頂いて、畳屋身寄りに尽きる。
ちなみに、我が家の母の日は、
PH9以上の源泉かけ流しの温泉に誘い、
夕食は、特上のお寿司を注文。母の好きなイクラを、母だけ追加。
日頃の家事に感謝し、今日は、のんびり過ごしてもらった。
先日、知り合いから、お施主さんは甲府だが、畳をみてくれないかと依頼が来た。
どうも、数年前に"安売りチラシ"を見て、注文したようだが・・・。
早速、現場を見に。
なんかどす黒い感じ。
もしや、マラカイトグリーン。
い草をよく見せるために、添着剤、マラカイトグリーンを入れ、着色してある畳表だ。
これが、噂の「マラカイトグリーン」
アメリカ、EUでは、発がん性物質ということで、食品への使用が禁止されている物質だ。
これが、マラカイトグリーンを入れ、着色してある畳表。

こちらが、正常の畳表

そして、畳を持ってきて、作業開始。
おおー。噂には聞いていたが、これがーーー。
すべて、畳がホチキスとガムテープで止めてある。

ちゃんと縫っていないので、ゴザが緩んでしまっている。

畳の縁(へり)もすべてホチキス留め。
い草が着色してあるため、かえってゴミや誇りが付きやすく、ベトベト。

引っ張ると簡単に縁(へり)が取れて、ホチキスが剥き出しになってしまう。
もし、子供にホチキスが刺さったら、どうするのだろう!危険な畳だ!

横も、ホチキス留め。

今、畳の安売りチラシが出回っている。
生活者のことを考えない悪徳業者も増えている。
【良い畳店を選ぶ方法】
(1)畳の知識を見につけること。興味を持つ。畳の無料工場見学。
(2)安売り広告に騙されない。広告宣伝費は、お客様に跳ね返ってきます。
(3)信頼の置ける地元の畳専門店に直接お願いすること。
(4)ちゃんとした畳が入っている知り合いからの紹介。
(5)見極めは、国家試験1級畳技能士を持っていて、本人が施工する。
アルバイトにさせているところもある。
(5)(財)日本規格協会と全日畳の主催による畳専門品質管理責任者の資格をもっている。
(6)全日本畳事業協同組合、山梨県畳同業者組合に加入している。
ご相談などありましたら、お気軽にご連絡ください。
TEL 0553-33-2005
良い畳ライフを!!
畳は日本古来の生活様式として、ごく身近にありながら、意外と知られていないのが現状のようです。
昔は、畳の材料と道具をお宅まで運び、その場で作っていたので、どういう材料を使い、どういう風に作っているのか、知ることができました。
現在では、機械化と輸送手段の進歩により、寸法を測り、工場(こうば)で畳を作り、車で運んで敷き込むようになったので、畳を作る工程を目にすることができなくなりました。
また、一度、畳を敷き詰めてしまえば、なかなか畳を上げることもないので、表面の畳表(たたみおもて)しか見えず、芯がどういう素材でできているのか分かりづらいのも事実です。
その結果、畳について触れる機会も少なくなり、畳についての知識を得る場がなくなったと同時に、関心も次第に薄れていったように感じます。
ここでは、畳の正しい理解のもと、より快適な畳ライフをエンジョイして頂くために、畳の良し悪しについてご説明いたします。
