【主 催】 : 塩山高等学校PTA 【日 時】 : 2001年10月7日(日) 18:30〜 【場 所】 : 山梨県塩山市 塩山市民文化会館 大ホール ★入場無料★ 【講演内容】 〜今、家庭教育の在り方〜 主なご講演内容は、下記「児童心理」1999年5月・6月号「生き方と愛が伝わるしつけ」をご参照ください。是非、ご参加頂き、内田玲子先生の実体験に基づいたお話を直にお聞きください。 ■「児童心理」1999年5月・6月号 生き方と愛が伝わるしつけ 家庭教育カウンセラー 内田玲子 TEL 0465-42-1835 目次
◆心が丈夫になるしつけ方
◆自分の性格を押しつける親◆ 北海道の講演に行きましたとき、見渡す限り真っ白な光景に出会いました。この雪のように、子どもは真っ白で生まれてきます。親の生活習慣によって、どのようにでも自由自在に型がつきます。 人に迷惑をかけてはいけないと言って育ててきたのに、思いもよらない事件を起こしたり、「人の物は取ってはいけない。欲しい物はいくらでも買ってあげるから」と充分に買い与えたはずなのに、ゲーム感覚で万引きをしたり。子どもは親が頭の中で描いた通りにはなりません。「どうしてうちの子は何でもすぐ投げ出すのでしょう。私は几帳面で、きちんとやらないと気がすまない性格なのに」 こんな相談がありました。どんなに几帳面であっても人の心を育てることとはイコールにならないのです。自分の思い通りにやらない子は、「だらしない、ズボラ、お父さんにそっくり……」では、子どもの心は押し込まれ、やる気を失ってしまいます。私自身、主人が「おまえは……」と言い始めただけで心の中で反発してしまい、次の言葉を聞かなくなってしまいます。型にはめ込まれると心が嫌がり、次にはやる気を失うのです。 その子しか持っていないものを親が生活の中で引き抜いてやれるかどうかで、一人ひとりの人生の幸、不幸が分かれてしまいます。自分の性格(凡帳面)を押しつけるのは、自分自身も苦しいのでしょうが、押しつけられる者にとっても、苦しいのです。「だらしな い」と言われると、「自分は駄目な人間だ」と思うこともあります。人を苦しめるのでは、本当の凡帳面とはいえないでしょう。
◆認めることから始めよう◆ 一人ひとりが凡帳面なところをもっています。それを認めることから始めれば、やる気も育つと思います。大人なら、「時間をきちんと守り、人を待たせることはしない人」「どんなに苦しくても人にお金は絶対借りないという鉄則を持っている人」、子どもだったら、「ノートをきちんと使い切る子」など、いろいろです。親が何を一番に認めてやるかです。 生きていく知恵は子どものころに(親の側にいる間に)体にしみ込んでいきます。いい子に育てようという頭の中の考えだけでなく、生活の中でどのようにしみ込ませてやるかでしょう。成人病が生活習慣病と言いかえられたように、生活のくり返しの中で性格という味ができてくるのです。 子どもが事件を起こした両親が、たとえ一流大学を出ていても、どんな専門書を読んでいても、事件は解決しません。親の心の中にしか答えはないのです。それを人のせい、物のせいにするから今の青少年は荒れ、すさんでいくのです。立派な理論通りに子どもが育つなら、こんなに不登校、家庭内暴力、校内暴力、非行、薬物乱用などが多くなるはずがありません。生活の中にしか答えはないのです。 ガミガミ自分が疲れるほど言い続けていると、子どもは小心者になっていきます。本人の持っているいいものを引き出してやらなければ、あまり人とも話さなくなるでしょう。親が頭の中で考えている通りにやらせると、子どもの心はにぶり、あまり反応しなくなるでしょう。 子どもに問題が起きてから相談に連れて行っても、親がどのような型をつけてきたのかを認めない限り、何年もかけて「根」をつくったのですから、苦しい人生になるでしょう。 「私は人前に出るのは好きなのに子どもはどうして一人遊びが好きなのでしょう」と思い悩んだり、「お母さんはグジグジする子は嫌い!」と怒鳴ってみても、親がそのように型をつけてきたのですから。 ◆納得したとき、心は伸びる◆ ある中学生が次のように言っていました。「親はすぐおどかす。だからオレも学校で弱いヤツをおどかしている」と。子どもは無抵抗です。親がおどかして育てれば、ビクビクする子か、人をおどかす子に、型がついていきます。叱るときでも、本当のことを本当だと言ってやれる親でなくてはならないのです。心が納得したときに、人間の心は伸びるものです。 子どもを自分の思い通りにさせていませんか?常にクラスの子や近所の子と比べながら育てていませんか?子どもにどのような型をつけて育てているのか、ちょっと考えてみましょう。思い当たるところがあってもあせることはありません。気づいたときが前進のときですから。
◆「どっちでもいい」という子◆ おもちゃやさんに行き品物を買うとき、親が、「どっちがいいの?」と聞くと、「どっちでもいい」と、子どもが親の顔色を見ながら答えることはないでしょうか。そんな子どもを見て、「うちの子はグズグズして」と言う人もいますが、小さいころから生活の中で、子どもの本当の心で選ぶことをさせていないからでしょう。また、親がイライラして、「どっちでもいいと言うのは『いらない』のネ」と心をねじ曲げることはないでしょうか。心の中に、人を育てたいという愛の心がなければ、しつけはできないものです。親が何でも決めてからその通りにさせることによって、子どもの心の中はいつも不自由な状態になります。その心が爆発したのが、学級崩壊であったり、家庭内暴力、非行、いじめ、不登校なのでしょう。生活の中のガス爆発と考えてもいいでしょう。 小さいときから子どもに選ばせる訓練をさせることが大切です。「どっちがいいの?早くしなさい。いらないの?」などと、子どもが選んでいるときに、マイナスの言葉(毒ガスの言葉)をかけないことです。子どもの選び方を親がじっくり研究することによって、心は鍛えられます。食事にしても、子どもに「何が食べたい?」と聞けば、体の中でわき上がっている答えを言葉に出すでしょう。あせらすと正しい答えは出ません。これは大人も子どもも同じことが言えます。人間は、子どもであっても、たとえ世界の大統領であっても、体の中に答えを持っているのです。一人の人格は、それぞれの体の中にある答えを出し切れたときに、勇気と決断へと向かえるのです。 ◆喜びを分けようとする子◆ 私はよく孫と散歩に行くことがあります。「どっち?」と聞くと、ちゃんと答えます。まだ言葉がうまくしゃべれない子どもでも、「アッチ」と言って指をさします。子どもが決めた方に「さあ行こう」と言うと喜びます。「えらかったネ。あなたが選んだ道にはレンゲがいっぱい咲いていたネ」と、一つのことから喜びをふくらませてやります。「レンゲのお花がステキだから、お母さんのおみやげにしよう」と言うととてもはしゃぎます。心を喜ばせてやると、人にも喜びを分けようとします。「お母さん、レンゲのおみやげ」と子どもが手わたせば、お母さんも「ありがとう」と、まさに、「よろこびと共によろこび集まって来る」です。 コンクリートを流し込むように型に入れると、子どもは「苦しいよ。お母さん、心が自由白在のときに心を鍛えて……」とシグナルを送ることもあります。どんな偉人でも、体の中の答えを小さいとき親にどのように引き出してもらったかによって、人生の道がほぼ決まると言っても過言ではないでしょう。親にプラスの言葉を与えられ、「どっちでもいい」という自信のない心を引き抜いてもらえるかで、その芽が大木にもなり、枯れ枝にもなるのです。 ◆選ふ訓練で心を丈夫に◆ 「子どものいいなりになると、わがままになりませんか。」と質問する人もあります。たとえば中学生の子が「CDを買いたいからお母さんA店に連れて行って」と言ったとき、「どうしてA店に行かなければいけないの。B店が近いでしょ。B店にしなさい。」「じゃいいよ」と、心ねじ曲げられて、B店へ行きました。そこで、「CDがやっぱりない。A店に行ってよ」「どうしてわがままなの」といい合いになってしまいました。選んだ事柄を大切にしてやると、心は丈夫になっていきます。それを生活の中でやっていくと、答えは出ると思います。小さなことから選ぶ訓練をして、子どもの心の研究をしてみることが大切です。 子どもはすばらしい親の心の中、生活の中を形にした芸術作品です。すばらしい人、専門的にすばらしい本を書いている人でも、その通りにはなっていないはずです。親の腹の底の程度が、子どもの上に答えとなって出て来るでしょう。世の中がどんなに進歩しても何億年たっても、生きるとか、生活をする基本は人類共通なのです。 子どもが選んだら、親はパチッとパズルを合わせることです。こっちにしなさいと親の考えで曲げないことです。自分で選んだものは何でも長く続きます。親が決めたコースでは、子どもは息切れをして途中でやめたりします。「あなたは続かないんだから、すぐあきるから」と、マイナスの言葉で心をくたんとさせないことです。子どもが決めたことには、親は、腹の底の愛で「あなたの心で選んだことは間違いなかっネ」と勇気づけてあげてください。(うちだ・れいこ家庭教育カウンセラー) 【出典】「児童心理」1999年5・6月号 ●新連載生き方と愛が伝わるしつけ 金子書房 【執筆歴】「思いやりを育てる家庭」『児童心理』1992年7月号 (特集いじめを超えよう) 「『いじめ』をうむ親子関係」 『児童心理』1993年8月臨時増刊号 (特集 子ごもの人間関係がわかる本) 「好かれる子を育てる家庭-生活をふりかえる」 『児童心理』1996年11月号(特集好かれる子・嫌われる子)
「やり抜くカを育てられる親」『児童心理』1997年7月号 (特集 やり抜く力を育てる) 「友だちづくりを援助する家庭」『児童心理』1997年12月号 (特集友だちができない子) ★昭和11年愛媛県に生まれる 子供の頃より心が弱く、目分の心を鍛え、多くの人の心の支えになりたいと十代の頃より考えるようになり私でも出来る事を十代より心の研究をはじめる。 ★21才で上京33才で小田原にて県知事委託のもと地方から働きに来ていた若者達に「働く青少年の家」として自宅を開放・訪れた青少年は数えきれない。 ★昭和55年より心の研究結果をもとに家庭教育カウンセラーとして、日本各地の教育委員会、文化講演、生涯学習大会、婦人団体、民生委員、小・中高等学校PTA、企業、国立病院の社員講習会、全国の幼・保育園保育士大会等 |